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国内株式市場のベンチャーマーケットは死んだのか [アナリストレポート]

ベンチャーマーケットは死んだのか
2009-05-21


 ベンチャー企業向けマーケットの値動きが鈍くなっている。上がる時も下がる時もジリジリ。売買代金も低迷している。数年前のような勢いは皆無で、個別銘柄に目を落としてみても、どれもある程度は説明が付く水準で推移。当たり前と言えば当たり前だが、数年前までの理屈を越えた相場を知っているだけに寂しさを感じる。
 06年1月のライブドア・ショック発生以降、東証マザーズなどのベンチャー企業向けマーケットは調整相場に突入した。ベンチャー企業への不信感が高まり、実際に不祥事が相次いで表面化。資金調達に四苦八苦して経営破たんする企業も続出し、上場企業としての信頼は地に落ちた。


 ベンチャー企業の業績悪化も市場低迷の一因として語られる。例えばミクシィ(2121)。インターネットサービスセクターの中心銘柄であり、倍々ゲームで利益を拡大させていた。一時は200倍近いPERまで買われる場面があった。しかし、09年3月期に利益成長率は横ばいとなり、10年3月期はついに2ケタ減益を見込む。株価は下落を続け、現在のPERは38倍。それでも割高だと指摘されている。


 そして新規上場銘柄の減少。ライブドア・ショック発生後、取引所は新規上場の審査を厳格化し、監査法人や投資家の目も以前より数段、厳しくなった。現在は景況感の悪化がそれに拍車を掛けている。


 上場企業の信頼度や業績成長率の低下、新規上場銘柄の減少。経済環境の悪さもあって小型株市場が盛り上がらない理由は多く語られる。しかし、03年以降、東証マザーズや大証ヘラクレスなど市場が相次いで創設された新興市場ブームから月日が経ち、新興市場自体が成熟してしまっているようにも感じる。当時の熱狂は、上場する企業だけでなく、取引市場自体も未成熟だったからこそ、生まれたものだったのかもしれない。事実、「投資家保護のため」と時間をかけてルールを整備し、問題を起こす可能性がありそうな企業を上場させず、優等生ばかりをそろえようとしているベンチャーマーケットに、投資家は見向きもしていない。


 新規上場の狭き門をかいくぐって新たに上場してくる銘柄は、“ちゃんとした会社”だが、どこかで見たことのあるような会社ばかり。「ウチは類似企業のない会社です」などと怪しいビジネスモデルを鼻息荒く説明する経営者は減った。ビジネスモデルのユニークさも、ベンチャーマーケットの魅力の一つだったはず。新規上場銘柄数の減少が小型株市場の活力を奪ったことは事実だろうが、投資対象としての妙味低下も大きな要因だ。
 事業環境が厳しい中でも成長を続けているベンチャー企業は多いし、上がっている株もたくさんある。しかし、「この会社が世の中を変えてしまうかもしれない」と夢を抱けるような銘柄は、ほとんどなくなった。そういう意味で、ベンチャーマーケットはもう死んでいるのかもしれない。

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