自動車部品株に上方修正期待――第3四半期決算発表スタート

自動車部品株に上方修正期待――第3四半期決算発表スタート

2010-01-18

　3月期決算会社の第3四半期累計（09年4～12月）決算の発表がスタートした。今週半ばから主力企業の発表が本格化する。年間4回ある四半期ごとの決算の中で、例年第3四半期は“一番地味な印象”になりがちだ。それは「期末が目前に迫っているにもかかわらず、来期の見通しを示すわけでもない」（市場関係者）ためだ。

ところが、今回ばかりは事情が大きく異なる。非常に重要な第3四半期決算となりそうだ。それは、前年同期が昨年9月のリーマン・ショック以降の急速な落ち込み期間に対応しているためだ。今期通期予想も含めて個々の銘柄について、「どの程度の水準まで回復しているのか」「正常に戻るにはどのくらい時間が必要なのか」といった吟味をする必要があるからだ。

円高修正が追い風に　

第3四半期の決算発表に伴って、通期の業績上方修正に進む可能性が高いセクターとして自動車部品に注目したい。第2四半期累計（09年4～9月）決算発表時に、上方修正を発表した自動車部品会社もあった。しかし、納入先の自動車会社の業績不透明感を考慮し、上方修正を見送ったケースや、修正幅を控えめに抑えた企業も散見された。


　ところが、昨年11月以降追い風が加速した。トヨタ自動車（7203）、ホンダ（7267）、日産自動車（7201）など大手各社が相次いで今期の世界販売台数を上方修正しているのに加え、中国、インドなどアジアを中心とした新興国の自動車需要に一段の拍車が掛かっている。また、最大の懸念材料だった外国為替市場での円高進行も、昨年11月27日の1ドル＝84円台を転換点に円高修正が進み、90円台前半の水準に戻り、これも追い風となっている。

　ちなみに、下期（昨年10月～今年3月）の主な自動車会社の想定為替レートは、1ドル＝85円は、日産自、ホンダ。1ドル＝88円はマツダ（7261）、富士重工業（7270）、三菱自動車（7211）。1ドル＝90円は、トヨタ、スズキ（7269）となっている。


タイヤ協会は14％増予想

　また、日本自動車タイヤ協会は、今年の自動車国内生産台数を前年比14％増の898万台と想定し、これに基づいて新車に装着するタイヤ需要を、同14％増の4329万本と見込んでいる。

　自動車部品会社の上方修正では、車両内装品を手掛ける住江織物（3501）が12日に、今5月期の営業利益を4億円から11億円に上方修正して急騰した。今後、上方修正の可能性のある銘柄として、車両・エンジンなどを手掛ける豊田自動織機（6201）、シートベルト・エアバッグのタカタ（7312）、カーエアコンのデンソー（6902）、変速機など機能部品のアイシン精機（7259）、ばね最大手のニッパツ（5991）、油圧機器大手のKYB（7242）、内装品・エアバッグの豊田合成（7282）、照明器トップの小糸製作所（7276）、エンジンと変速機の愛知機械工業（7263）などに注目したい。

タグ：自動車部品関連 決算発表 上方修正 第3四半期 トヨタ ホンダ 日産 円高 90円 タイヤ協会 リーマン・ショック 84円台

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コメント欄から失礼いたしました。

by 遠山孝司 (2010-01-20 15:15)