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FXを極める=モンスターの3月16日 [コラム集]
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2010/02/26 19:53
覚悟せよ。
3月16日までは、波乱含みである。
「モンスター」がうごめく。
モンスターによるユーロ売りの流れは凄まじい。
新規の材料でなくても呑みこんでユーロ売り要因と解釈し、ユーロ売りを進めてゆく。
モンスターは、覚悟を決めている。
3月16日まではユーロ売りでまい進するのである。
3月16日にはEU財務相理事会が開かれる。
ギリシャ政府はこの日に財政赤字の具体的な削減スケジュールを示さなくてはならない。この日をめがけて出てくる、様々なニュースフローがモンスターのえさになる。
4日にはECB(欧州中銀)理事会。
政策変更の有無をうかがっているのではない。
トリシェ総裁の会見である。
トリシェ総裁はギリシャのことを尋ねられるだろう。そして、2月11日のEU首脳会議、16日のEU財務相理事会で繰り返し示された基本スタンスをもう一度口にするだろう。
常識的には。
しかし、モンスターはトリシェ総裁の「ある癖」に目を付けている。
彼は、話好きなのである。
08年6月、トリシェ総裁はサブプライムローン問題渦巻くなかにあって市場関係者が思いもしなかった利上げ示唆発言を行い、突如として翌月利上げへの道ができた。
モンスターはトリシェ総裁の「前科」を知り尽くしている。
ユーロが対象とならなくても、円がターゲットになる可能性がある。
5日に中国で全人代が開幕する。当局の金融政策のスタンスがどのようになるかが最大の焦点になる。事前報道がリスク回避行動を誘えば、円買いが強まる。
全人代で従来通りのスタンスが維持される可能性もある。しかし、11日には中国の2月CPI(消費者物価指数)など重要指標が発表される。
また、12日は因縁の日である。
1月、2月。中国人民銀行はこの日に預金準備率の引き上げを発表している。
もちろん、16日まで一本調子でドル・円、ユーロ・円が下げ続けることは考えにくい。
2日にはRBA(豪州中銀)理事会が開かれる。
2月の利上げ見送り後、豪州の良好な経済指標や理事会の議事要旨などで3月利上げ論が高まっている。3日の09年10-12月期豪実質GDP(国内総生産)発表を前に「自信を持って」利上げに踏み切る可能性がある。10-12月期GDPの好結果はすなわち、RBAが順次利上げを行ってもなお、豪州の景気が好調だったことを示すものである。
RBAの利上げ再開のそのとき、各国株式市場が良好な状況であれば、豪ドル・円は上昇するだろう。このときは、さすがにドル・円、ユーロ・円とも下げにくい。
しかし、この際の上昇はあくまでモンスターの「休憩」であることに注意すべきだ。
投機筋はかつてない規模にユーロ売りポジションを構築している。何もないときにトレンドが上に向きはじめれば、ユーロ売りポジションを静かに手じまってゆくだろう。
全ては――
ユーロ売りを再び出すためである。
そんなモンスターの爪あとがチャートにしっかり刻まれている。
25日のNY時間に1ユーロ=119円67銭まで下落。しかし、米国株式の下げ渋りがユーロ売りの「いったん休止」を告げる。ユーロ・円が戻り始める。その流れは26日の東京時間も続き、121円台を回復した。
しかし、モンスターは心得ている。
24日の高値122円61銭は回復させない。
この上昇局面が、ただの「エネルギー補給」のためのものだから。
下手に24日の高値を奪回して125円までの回復期待を生じさせては困るのである。
3月5日には、2月米雇用統計が発表される。
良好な結果なら素直にドルが買われる。
ユーロ・ドルが下落すれば、ユーロ・円の上値は重くなる。
雇用統計がダメなら失望感いっぱいのドル売り。米国株式が嫌気すれば円買い要因にある。3月16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文で、長期間にわたる超低金利政策の継続が再び確約されるとの見方が浮上すれば、ドル・円の上昇は考えにくい。
3月16日までに、ユーロ・円は110円を見に行くかもしれない。
ドル・円は、85円割れの可能性がある。
3月16日からは、日銀の金融政決定会合が予定されている。
しかし、急激に円高が進行する際には臨時の金融政策決定会合が招集されるだろう。
09年12月1日、急速な円高のなかで臨時会合が開かれた。このときに打ち出された固定金利オペ。3月の定例会合までの間に当初設定した上限10兆円に到達する見込みで、臨時会合は一段の緩和姿勢をアピールする絶好機でもある。
モンスターが微笑む。
「3月16日に会おう」
(和田崇彦)
【提供:モーニングスター社】
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