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子供の将来を暗くする「当たり前の家庭習慣」とは [お金・給料の新常識]
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日本の家庭では、親が子供におこづかいを与える習慣が当たり前のように定着している。皆さんも親からおこづかいをもらって育ち、また、自分の子供にもおこづかいをあげているのではないだろうか。
だが、おこづかい制には「百害あって、利ほとんどなし」と唱える人がいる。資産活用や投資に関するセミナー講師、アドバイザーをしている小泉俊昭さんだ。
小泉さんは著書『かわいい子には「こづかい」をあげるな!』(大和書房)の中で、おこづかい制ではお金の大切さや使い方を学べない、だから子供におこづかいをあげるべきではない、と主張する。
いきなり聞くと極論のようにも思える話だが、お金に悩む大人たちを見続けてきた小泉さんならではの理由と確信がある。小泉さんが考える「おこづかい制の弊害」とは何だろうか。
■お金は「タダでもらえるプレゼント」ではない
── どの家でも疑うことなく、当たり前のように子供におこづかいを与えています。「こづかいをあげるな」と言われても、にわかには受け入れがたいと思うのですが、「おこづかい制」にはどのような弊害があるのでしょうか。
小泉 東京都が実施している「多重債務110番」という借金の相談窓口があります。ここに電話をしてくる人の60%が給与生活者で、平均年齢は50歳を超えているそうです。
20代の人が身の程知らずにお金を使いすぎちゃったというなら、まだ分かります。でも社会人になってから30年以上も経っているような人が、そういうところに駆け込んでいるんです。不景気でリストラに遭った人が増えたのかという気もしますが、相談件数は、ここ数年の間、毎年一定だそうです。
また、一時的に大金を手にしたものの、お金をコントロールできずに転落してしまう人がいます。例えば、音楽プロデューサーの小室哲哉さん。一時期は何百億円もの資産を持つ大金持ちになったのに、すべてを失い、挙句の果てには詐欺をして捕まってしまいましたよね。やはり、お金をコントロールする力がなかったから、ああなってしまったんじゃないかと思います。
そういう状況を見ていると、お金に関する知識やお金をコントロールする力が根本的に欠落している人が多いんじゃないかと思えてなりません。「お金が手に入ったらどうしよう、お金がないからどうしよう」と、お金に対して受け身で、その場しのぎの人が多い。
どのような人生設計を立てるのか、それを実現するために何をしないといけないのか、いくら稼ぐために何をすべきなのか、そのためにどんな知識が必要なのか、そもそもお金とは一体何か、といったことを自分の頭で考えていないんです。
── そこで、おこづかい制の弊害が出てくるのですね。
小泉 なぜ家庭でお金のしつけをできないのかを考えると、おこづかい制が大きな原因として浮かび上がります。おこづかい制だと、ただ待っていれば、毎月親がお金を無料でプレゼントしてくれる。だから、お金に対してずっと受け身の状態で育ってしまうんです。
日本の大企業の終身雇用制と同じようなものだと思います。今までの日本では、会社に行ってさえいればクビになることもなく、お給料をもらうことができました。それと同じで、おこづかい制は、家族に属してさえいればタダでお金をもらえる制度です。
でも、今は日本の社会システムが大きく変わってきています。どんな大企業だって、ずっと雇用を保証してくれるわけではありません。会社に対して受け身の状態から、自分で仕事やお金をコントロールする方向に変わらないといけない。おこづかい制で育つと、そういう社会に対応できない人間になってしまうんじゃないかと思います。
── とは言っても、おこづかい制でもお金の使い方は学べるのではないでしょうか。貯めたお金をどう使おうかと自分で考えますよね。
小泉 使い方は学べるけど、逆に言うと使い方しか学べないし、お金に対して受け身である状態は変わりません。
我が家には中学生と高校生の息子がいますが、一切、おこづかいをあげていません。その代わり、掃除、皿洗いや洗濯といった家事を手伝わせて、対価としてお金を与えています。人の役に立つことをやって自分でお金を稼がせるようにしているのです。
ただし、「この仕事とこの仕事には報酬が発生するよ」ときちんと決め、親切心でやるような仕事や作業にはお金は発生しないことにしています。そうでなければ「何でもかんでもお金」という人間になってしまいます。
要は、じっとしていてもお金はもらえないという環境をつくってあげることです。すると子供は自分で何かしよう、どうすれば人の役に立てるんだろうと考えるようになります。
お金がなくなった時に、またおこづかいをもらえるまでひたすら時間が経過するのを待っているのと、「何かできるかな」と自分で考えるのとでは、大きな違いがあります。
■一番大事なのは親子のコミュニケーション
── おこづかい制は親の「手抜き」になりやすいと書かれていますね。
小泉 おこづかい制というのは親にとって楽なんですよ。毎月決まった額のお金をあげていればいいんですから。
おこづかい制をやめると、面倒くさいことがたくさん出てきます。例えば、我が家では子供たちが「お金が必要だ」と言えば、その度に理由を聞いて、本当に必要かどうかを議論してから渡しています。
小学校低学年のうちはまだいいんです。「お菓子を買うから100円ちょうだい」とか要求が分かりやすいし、金額も小さい。ところが中学、高校になると、服が欲しいとか、靴が欲しいとか、個人の趣味、価値観に関わるようなものを欲しがるようになります。おまけに値段が高い。そうした案件に対して、一つひとつ議論しなければなりません。
おこづかい制の場合は、そういう話し合いをしなくても、「5000円あげてるんだからその範囲で買いなよ」と突っぱねられる。
ただし、そうやって突っぱねていると、子供は「5000円じゃ足りないから7000円にしてくれ」「1万円にしてくれ」と言い出します。また、思春期ともなれば親子の間のコミュニケーションがだんだんと減って、子供が何を欲しがっているのかが分からなくなっていきます。おこづかい制では親子のコミュニケーションがますます希薄になっていくと思います。
── おこづかい制をやめると親にとって相当な手間がかかることを、覚悟しないといけませんね。
小泉 その通りです。我が家では、日々の生活でかかる飲食費や友達と遊びに行く際の費用など、必要経費はその都度渡しているのですが、実際に使った分については必ずレシートを持ってこさせ、何にいくら使ったのかをチェックしています。
食費として渡したお金で別のものを買っていたり、通学経路ではない場所で何か食べていたりしたら、何をしてるんだと問いただします。説明を聞くことで彼らの行動範囲が分かるし、行った理由も分かります。
手間はかかるけど、そうやって親子で議論してコミュニケーションを図ることが一番大事なのではないかと思います。
【提供:JBPRESS】
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