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カギを握る今春の消費動向 [アナリストレポート]

2010-03-24

 最近の企業取材で気付くことだが、今3月期第3四半期(昨年10~12月)の好業績を踏まえ、通期、および来期の見通しについて尋ねると、こちらの期待とは裏腹に、意外に慎重な答えが返ってくる。しかもその理由が、景気の先行きに対する不透明感もあるが、固定費の増加なのである。

リーマン・ショック後の世界同時不況により、企業は一斉に固定費削減、要は人件費の削減に走った。中には計画を前倒しして行い、さらなる景気の悪化に備える企業もあった。しかし今年に入り、昨年央に懸念されていた景気の二番底はここまで顕在化せず、少し先を見通してもその懸念は薄らぎつつある。

 そうなると、気になってくるのが社員のモチベーションとモラルである。多くの企業は前第3四半期(08年10~12月)以降、緊急避難的に賃金を大幅にカットし、業績を繕った。それが肯定される環境でもあった。しかし、今、違う方向にかじを切ろうとする経営者が増えている。下手に現状の賃金を続けると、生産性の低下を招くだけでなく、社会的信用に傷がつくような事象が起こりかねないからだ。中には第4四半期(1~3月)も好業績が確定的とし、特別手当を支給して社内の士気向上を図る企業も現れている。
 ここで株式市場に目を移すと、興味深いのが百貨店関連株だ。三越伊勢丹ホールディングス(3099)、J.フロント リテイリング(3086)、高島屋(8233)、エイチ・ツー・オー リテイリング(=H2Oリテイ、8242)、丸井グループ(8252)など大手百貨店株は昨年11月末ごろに大底を打って右肩上がりが続いており、昨年来高値に迫る勢いをみせている。オンワードホールディングス(8016)、三陽商会(8011)など百貨店向け主体の大手アパレルもしかり。PBR(株価純資産倍率)が、最も高いJフロントでも0.9倍とはいえ、既存店売上の高い伸びが続く王将フードサービス(9936・大)を筆頭に、消費者の低価格志向の強まりを追い風としていた外食チェーン株の多くが上値の重い展開にあるのとは対照的な動きだ。マーケットは既に可処分所得の増加による消費動向の変化を織り込んでいるといえよう。

では、肝心の景気はどうか。産業のコメといわれる半導体を通して見ると、先進国の景気回復が緩慢な中、家電下郷の中国を筆頭とする新興国のリードで需要は急回復した。その恩恵を受けた日本で賃金是正の動きが出始めた。それがさらなる半導体需要につながる循環が生まれようとしている。今春の消費動向は非常に重要な意味を持ちそうだ。

【提供:モーニングスター】
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