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FXを極める=米国、敗れたりっ! [FXを極める]
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2010/10/22 19:48
15日以降、米国の見苦しいまでの「アリバイ工作」が続いている。
15日に講演を行ったバーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、12日公表のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(9月21日開催分)で盛り上がった金融政策の次の運営枠組みについてはひと言も触れず、米国債の買い取り規模にも言及しなかった。
それどころか、これから採用しようとする非伝統的な措置のコストへの懸念ばかりが示された。
新興国が、米国の超緩和路線を批判しているのを封じるためである。
18日には、ガイトナー米財務長官がドル安戦略を否定。21日にも同じ趣旨の発言が報じられ、にわかにドルが上昇した。
それは、中国当局による人民元の低め誘導を批判するためである。
そして今週、日を追うごとに「米追加緩和観測」という名のモンスターはぷすりぷすりと音を立てながら小さくなっていった。
11月2日からのFOMCの決定内容がおぼれげながら出現するにつれて。
20日には、「市場への絶大な影響力を有する著名レポート」で「6カ月間で5000億ドル規模の米国債の買い入れを計画している」とされた、と伝わった。
19日にはロックハート・アトランタ連銀総裁が毎月1000億ドル規模の米国債の買い取りを、21日にはブラード・セントルイス連銀総裁が「1000億ドル単位」での量的緩和に言及した。
それは、市場が期待していた5000億ドルとか1兆ドルといった巨額の米国債買いではなく、いみじくもFRB副議長を退任したばかりのコーン氏が退任後のインタビューで漏らしていた「会合ごとの買い取り規模設定」という手法そのものだ。コーン氏は在任中、いつも議長に先んじてFRBの政策をマーケットに解き放つことで知られていた人物である。最後のご奉公か。
FRBは、米国債買い取り金額の「値踏み」に入っている。
筆者は「市場への絶大な影響力を有する著名レポート」と記した。非常に高額な購読料で知られ、そのかわり、当局者でなければ知りえないようなインサイダーな情報に溢れているとされる。
ここで示された米国債購入規模は5000億ドル。円換算では40兆5000億円(1ドル=81円として)。
この数字、見覚えはないだろうか。
5日に日銀が打ち出した「包括緩和」。その柱の1つとなった資産買い入れ基金の規模のはトータル35兆円である。
日本を、上回っている――
日銀は28日に金融政策決定会合を開催する。展望レポートでの物価見通しに注目が集まっているが、筆者は資産買い入れ基金の規模に注目している。
「日本は緩和度において米国にかなわない」
日銀からすれば、非常に面白くないだろう。白川方明総裁は折に触れ、日本の緩和度がいかに大きいかを強調している。しかし、
「35兆と40兆でしょ。日銀の方が少ないじゃん」
これが、マーケットというものである。
単純に、日本の方が緩和的だと言わしめるには、28日の金融政策決定会合でいきなり(5日の会合では基金の創設を「検討する」とされただけ)基金の規模を拡大する必要がある。白川方明総裁も、タイミングはともかく、基金の拡大の可能性は認めている。
米国の有力レポートで40兆5000億円とされた以上、これをなんとしても上回る必要がある。こどもの喧嘩というかもしれない。しかし。
マジである。
なぜなら、名目金利の低下余地が限られる現局面においては、市場の期待に働きかけて、長期間、金利が低く安定して推移するのを目指すしかないのである。それが現在の日米の金融政策の本質である。
11月2日からのFOMCが迫るにつれ、当局者発言のかわりに「米国の、有力な、経済紙」でFOMCに関するリーク記事が出るだろう。そして当局はそのときのマーケットの判断を注視している。
しかし、米国の負けである。
人民元を20%も30%も上昇させたらどうなるか。世界経済の屋台骨である中国経済がダウンしてしまう。
致命的なのは、ドル安で輸出が伸びても、多国籍企業の業績を側面支援しようとも、そのことによって所得が伸びても、あの、リーマン・ショックによって米国の人々の消費のスタイルは根本的に変化を遂げたということであり、解決すべき問題は諸外国にはなく、米国の中にあるということである。
毎日更新され、的中率の高さで有名な米国の予測市場では、来る米中間選挙で民主党が下院の過半数を制する確率はわずか10%である(21日時点)。
米国の敗戦。(和田崇彦)
◎関連情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、為替取引に当たっては自己責任に基づき、ご自身で判断をお願いします。
【提供:モーニングスター社 】
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