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ノーベル賞を狙う――iPS細胞、fMRI、ナノチューブ [アナリストレポート]

2009-09-29

 週明けの東京株式市場は、藤井裕久財務相が為替への介入に対して、改めて否定的な姿勢を示したことから、東京外国為替市場では1ドル=88円23銭と、1月23日の円高水準まで進んだことを嫌気して、主力輸出関連株中心に下落。一時、日経平均株価で1万円の大台を割り込んだ。また、亀井静香金融担当相は中小企業の借入金について、元利金とも返済を3年延長する「平成の徳政令」を打ち出しており、銀行株売りが継続中。しかも、銀行、証券などの金融機関にはBIS(国際決算銀行)による新たな自己資本基準強化で普通株の増資が意識され、先週発表した野村ホールディングス(8604)の大型の公募増資をきっかけにした、増資ラッシュという懸念が台頭している。

 武者リサーチの武者陵司代表は「グローバル的な景気回復、株価上昇は継続している。日経平均株価で1万円を割り込んでも、大きく底割れすることはない。民主党の政策も徐々に市場に向いてくる」と比較的楽観的だ。確かに不透明な為替動向で右往左往しても仕方がなく、今後の材料を考えた方が前向きに対処できる。例えば、この欄でたびたび紹介してきた2016年夏季五輪候補地(現地10月2日に決定)。事前に盛り上がりに欠けた分、東京に決定すれば「ポジティブサプライズ」になるが、これは神のみぞ知る―といったところ。

 今、足元で静かに進行しているにはノーベル賞関連株。今年は10月5日の医学生理学賞、6日の物理学賞から順次発表される。最初の医学生理学では再生医療のiPS(人工多能性幹=いわゆる万能細胞)を世界で初めて樹立した京都大学の山中伸弥教授やMRI(磁気共鳴画像装置)を利用して脳の活動を画像化するfMRIという方法の基本原理を発見した東北福祉大学の小川誠二特任教授の2人が有力候補。物理学賞としてはカーボンナノチューブの生みの親の飯島澄男・名城大学教授。このほか、作家の村上春樹氏が文学賞の有力候補とされる。

 関連銘柄では再生医療で細胞、遺伝子関連でメディネット(2370・M)、アンジェスMG(4563・M)、田辺三菱(4508)、日本ケミカルリサーチ(4552・OS)、日立メディコ(6910)にも注目したい。日立メディコはMRI関連でもある。

 また、飯島氏は91年に炭素原子で構成されるサッカーボール状の微細な管状物質を発見。当時はNEC筑波研究所に勤務しており、NEC(6701)の株価にも影響を与えそうだ。また、カーボン・ナノチューブ関連ではGSIクレオス(8101)が燃料電池向け触媒として量産化。このほか、ノーベル賞有力候補として、米カルフォニア大サンタババーラ校の中村修二教授。同教授はLED(発光ダイオード)関連。また、東京大学大学院の十倉好紀教授は超伝導関連、九州大学大学院の新海征治教授は医学分野のナノテクノロジー(超微細技術)関連だ。

 一方、過去のノーベル賞受賞と株価の関係を調べてみると、2002年の物理学賞で小柴教授が受賞した時には浜松ホトニクス(6965)が話題に上がった経緯がある。同社が同教授のニュートリノの開発施設を提供したことが背景。また、同年の化学賞受賞の田中耕一氏は島津製作所(7701)の社員。島津製は田中氏の受賞後、株価は7連騰(02年10月11日~21日)。この間の上昇率は72.4%に達した。さらに、01年は名古屋大学の野依良治教授(=当時)による化学賞受賞で高砂香料(4914)の株価が急騰。


 ノーベル賞受賞というビッグニュースで新規取引先の開拓など売上増に結びつくという思惑が浮上する。実際、島津製は田中氏が株価を刺激した後も順調に右肩上がりを続けた。ノーベル賞受賞が株式市場にも大きな影響を与えているというわけだ。なお、受賞者には1000万クローネ(約1億3000万円)の賞金が与えられる。

【提供:モーニングスター】
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