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11月は「アニマル・スピリット」相場――日電産の逆行高が示唆 [アナリストレポート]

2009-10-30

 「人々西に走らば、我は東に向かう時は極めて利運なり」。江戸時代の天才相場師、本間宗久の遺(のこ)した、この言葉は相場だけではなく、企業経営にも当てはまる。「先行き不透明」だから、身をすくめるのが得策とばかり、“巣ごもり”経営を続けていると、ビジネスチャンスを逃してしまう。こんなことは、経営のイロハであるはず。


 ところが、ある自動車部品メーカーのトップは、「いざ、経営の舵取りを進める段になると、とたんに、保守的になってしまった。その変わりように、我ながら驚いた。今までの俺とは別人のようになっちゃった」という。10年ほど前、取材の中で直接聞いた言葉だ。


 この経営トップは、副社長当事まで「リスクを大胆にとる凄腕のビジネスマン」との評価が高く、隆々たる実績を上げたのだが、責任ある地位に登り詰めたところから、持ち前の戦闘性が急速に“希薄化”。結局、在任中の業績も凡庸なものにとどまった。周囲の人々と同じように、「西」に走り、ついに「東」へ向かおうとはしなかったからだ。


 前へ一歩、踏み出そうとしないことの口実に「先行き不透明」を上げる経営者とは、まったく対照的な経営トップの一人が日本電産(6594)の永守重信社長だ。27日、都内で開かれたアナリスト説明会では終始、戦闘的な経営方針を強調。出席したアナリストの間から、いくぶん懐疑的ともとれる業績目標への達成可能性について質問が飛ぶと、「そういう疑いを(アナリストが)もっているから、面白い」と反撃。この場合、「面白い」とは、どっちの見通しが正しいか、見ものである、というような意味だろう。


 永守氏には、目標達成への満々たる自信がある。今3月期第2四半期(7~9月)累計決算で、当初計画を大きく上回る利益を計上したからだ。ちなみに、四半期ベースの連結営業利益は第1四半期(4~6月)102億円に対し、7~9月は180億円へ74%増加。通期予想も従来の500億円から580億円(前期比11.5%増)に上方修正した。しかも、10月28日付の株式新聞1面では、この「今3月期収益予想は期中に再増額修正される可能性が出てきた」と報じている。「今回の上方修正値が7~9月の収益上ブレ分を加算したもので、年度後半の予測数値は変えていない」というのが、その理由である。


 その翌日から株価は再び高騰し、29日には日経平均が1万円台を割り込む波乱局面にあって逆行高を演じ、08年8月以来の7800円台を回復。マーケットでは「1万円」説も台頭している。好業績だけが株価を押し上げているのではない。「識者」とされる人物や大企業の経営者の多くが「環境不透明」という言葉でお茶を濁そうとしているのに比べ、リスクをとって不透明な状況を切り開こうとしている永守氏への共鳴が感じ取れる。


 昨秋以降の未曽有の不況を「経営体質改革の好機」としてとらえ直した逆転の発想は、利益率改善プロジェクトWPR(ダブル・プロフィット・レシオ)に現れている。WPRがスタートしたのは今年1月だ。(1)ピーク時の連結売上高から、仮に半減しても営業黒字を確保する(2)連結売上高がピーク水準の75%レベルに回復すると、売上高営業利益率はピーク水準を達成(3)連結売上高がピーク水準に回復した場合、グループの営業利益率はピーク水準に対して倍増を達成する――という3点が主要目標に掲げられている。


「設備投資」と「アニマルスピリット」を結びつけたのは、かのケインズ。合理化運動にも、飽くなきアニマルスピリットが必要だ。 むろん、株式投資の世界でも、アニマルスピリットこそ、高パフォーマンスを生む動因となる。日電産に続く、低迷相場で存在感を発揮する「東に向かう」銘柄が11月相場の焦点だ。

【提供:モーニングスター】
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