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スター銘柄が示す構造的問題、トヨタを超えたサイバーエージェント [アナリストレポート]

2009-12-21

 56%、39%、47%、41%…。この数字は東証マザーズ市場におけるサイバーエージェント(4751)の売買代金占有率の推移。

上場銘柄数が少ない新興市場とはいえ、186銘柄が上場する市場における1銘柄の占有率としては異常な水準だ。15日にはトヨタ自動車(7203)をも上回り、全上場銘柄中6位の売買代金を記録。株価も上値を追っている。
 サイバーはブログ(日記風ホームページ)などのメディア事業やネット広告代理を主軸に据えるネットベンチャーの老舗。かねてから新興市場を代表するスター銘柄ではあったが、直近で人気化する材料が出現したわけではない。


 ファンドによる買い増しなどが明らかになっているが、大局的に見れば、サイバー株の人気化の背景にはIPO(新規上場)マーケットの低迷がある。2008年以降、IPO銘柄数は低水準が続いており、今年はたった19社(予定含む)。
年200社が株式公開していた数年前と比べると隔世の感すらある。景気悪化による企業業績の悪化、ライブドア・ショック後の新興市場の低迷、上場基準と審査の厳格化などが相まって有力なベンチャー企業の上場が減少。新しい血を失った新興市場は空洞化しつつある。現在もサイバーや楽天(4755)のような2000年上場組が主役であり続けていること自体が問題なのだ。

 足元、小型株への投資意欲が少しずつ回復する一方、魅力的な投資対象は相変わらず少ない。サイバー株の活況はサイバー自体の問題ではなく、マザーズ市場にサイバー株以外に手掛ける銘柄がないという、消去法的な理由の方が真実に近い。
サイバー株の人気化のタイミングが、小型株物色の大黒柱となっていたグリー(3632)が株式売り出しを発表して値動きを鈍らせた時期と重なることも、この値動きの理由を裏付ける材料。業績成長期待が、新サービスの将来性が、などと分かったような分析をしていると、相場には乗れない。足元の一極集中相場を演出しているのはベンチャーマーケットの暗い部分。スター銘柄の大活況が、新興市場が抱えている構造的な問題を浮き彫りにしている。


 IPO銘柄の急増は望めず、新興市場は引き続き構造的な問題を抱えていくだろう。しかし、一極集中の相場が長く続くことも考えづらい。ここにきて短期的なもみ合いから脱してきたグリーや非ネット系ではメッセージ(2400)のような好業績銘柄が、サイバーに集中していた資金の一部を請け負うような展開となっていきそうだ。

【提供:モーニングスター】
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