4月28日今晩のＮＹ為替の読み筋＝ドル・円の上値は限定的か、ＦＯＭＣでは「異例の長期間」の文言維持との見方大勢

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2010/04/28 18:43

　２８日のＮＹ外国為替市場で、ドル・円の上値は限定的か。ＮＹ時間終盤にはＦＯＭＣ（米連邦公開市場委員会）声明文が発表される。政策金利を異例の低水準で長期間据え置くとするＦＲＢ（米連邦準備制度理事会）のスタンスの象徴と目される「ｆｏｒ　ａｎ　ｅｘｔｅｎｄｅｄ　ｐｅｒｉｏｄ」の文言は維持されると見込む声が大勢だ。しかし、「景気見通しの上方修正など、その他の文言のトーンを変更して６月開催のＦＯＭＣへの布石を打ってくる可能性があるので、注意したい」（大手信託銀行）との見方が聞かれた。「ｆｏｒ　ａｎ　ｅｘｔｅｎｄｅｄ　ｐｅｒｉｏｄ」の文言据え置きについては、ホーニグ・カンザスシティ連銀総裁が反対票を投じるとみられているが、他に追随するメンバーが出てくるかについても注目したい。

　そのほか、ＦＲＢの資産売却に関する議論がなされるかについても市場では関心が高い。ＦＲＢの出口戦略の進展を意識させるような内容となった場合は、ドル買い要因となりやすいだろう。ただ、「９４円台には２９日から連休に入る国内輸出企業のドル売りオーダーが並んでおり、ギリシャ問題の懸念がくすぶり続けるなかでは、同水準の突破は難しそうだ」（前出の大手信託銀行）との声が聞かれる。

　一方、９２円５０銭をはじめ、９２円台にはストップロス（損失確定）のドル売り注文があり、同水準を狙った動きから、ドル・円が圧迫される展開も想定される。ユーロ・円が下押されるケースでのドル・円の下落を見込む声もあるが、その場合でも「９２円台で下げ止まるとみている」（別の大手信託銀行）との見方が出ていた。

　市場では引き続き、ギリシャに端を発する欧州圏のソブリンリスクへの懸念が強い。２７日にＳ＆Ｐ（スタンダード・アンド・プアーズ）がギリシャのソブリン格付けを３段階引き下げたほか、ポルトガルの長期格付けも２段階引き下げたことを受け、投資家のリスク回避姿勢が強まった。「ギリシャについて、さらなる格下げの動きがムーディーズやフィッチなど他の格付け機関に広がるかにマーケットの関心が向かっている。これら２社の動向次第では、ギリシャ国債がＥＣＢ（欧州中銀）の担保不適格となる可能性が出てくる」（後出の大手信託銀行）という。また、ポルトガルの格下げを受け、ソブリンリスクが周辺国へ広がったとの認識が深まったことから、ユーロが圧迫される局面が長期化するとの声も多い。ユーロ・ドルは１．３０ドル方向へ下押されるとの見方がマーケットでは優勢のようだ。

　ただ、「先進国の国債がジャンク級まで引き下げられたのは、かなりインパクトのある話。ユーロ圏各国も黙ってみているわけにはいかないはず。ロンドン時間にかけて、要人発言を含め、何か動きが出てきそうだ」（大手邦銀）との見方も聞かれた。

◎関連情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、為替取引に当たっては自己責任に基づき、ご自身で判断をお願いします。なお、当該記事は２８日午後６時時点の情報をもとに作成しました。

【提供：モーニングスター社】

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