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FXを極める=強いドル・円の終えん―abroadの呪い― [FXを極める]
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2010/06/25 19:37
世界は、変化の荒波のなかにある。
磐石と信じられてきたものが、音を立てて崩れはじめている。
現地23日に公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)声明文。
政策金利の変更の有無、異例の低金利政策の長期にわたる継続を担保する文言の修正の有無。
これまでの声明文では、この2つが特に市場の関心を集めてきた。しかし今回、注目すべき内容が声明文に盛り込まれた。
米経済の先行きに対する強い警戒感。
金融政策の局面が緩やかに、しかし確実に転換した。
デフレへの懸念。
今回の声明文では「基調的なインフレ率は低下した」と明記された。デフレ懸念に伸びない銀行貸出。米国でも日本と同じような懸念が高まっている。
米国は労働生産性が日本に比べて高い。しかし、その高い生産性を維持しようとすれば賃金には下方圧力が掛かる。それはすなわちインフレ予想の抑制につながり、「デフレの芽」になる。
外には、欧州問題。
「abroad」
この1語にこめられた、強い危機感。
欧州問題の顕在化で、政策決定に当たって欧州に関する記述を盛り込む中銀が多い。
豪州中銀やスイス中銀のほか、日銀が金融政策決定会合後に出すリリースにも「欧州諸国における財政状況を巡る動き」と明記されている。
しかし、今回のFOMCの声明文には、「欧州」、「ソブリンリスク」といった具体的な文言は一切出てこない。
具体的に語ることでかえってFRB(米連邦準備制度理事会)の抱く警戒感が広まってしまい、市場が必要以上に大きく反応することを恐れたのかもしれない。
欧州は、いま。
ECB(欧州中銀)が国債買い取り方針を示しているにもかかわらず、欧州周辺国の国債利回りが再び上昇している。
これは、どういうことか。
ECBの中央銀行としての信認の欠如にほかならない。 もはや、信用不安を鎮めるべき存在がいなくなりつつある。
これまで、市場はFRBの金融政策をめぐり、異例の低金利政策からの脱却のタイミングばかりを探っていた。そのなかで、会合の決定に反対し続けるカンザスシティ連銀総裁のホーニグ氏は「タカ派の寵児」だった。
しかし、あるエコノミストは語る。
「もはや現状維持か、追加緩和かの議論ですよ」
ドル・円は再び200日移動平均線を割り込み、このラインが再びドル・円の上値の重しとなりそうだ。
3月下旬以降、3カ月間。
強いドル・円の終えんである。(和田崇彦)
◎関連情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、為替取引に当たっては自己責任に基づき、ご自身で判断をお願いします。
【提供:モーニングスター社】
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