民主党の政策と今後の株式相場、そして関連銘柄は？

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　プレ衆院選との呼び声が高い東京都議会議員選挙（定数127＝過半数は64）が3日、告示された。12日の投開票の結果が、その後の政局や衆院の解散・総選挙に大きな影響を与えることになる。都議会も自民・公明両党が過半数（自民48、公明22の合計70）を占め、与党を形成しているのは衆院と同じ構図。自民党の劣性が伝えられる中、もし都議会が先行する形での“政権交代”が現実のものになると、その流れが一気に衆院選に向けて強まる可能性もある。今回は、政権獲得の可能性が指摘される民主党の政策が今後の株式相場に与える影響について探った。

　麻生内閣の支持率は、最近の大手マスコミの調査によると20％前後の水準にまで下落している。自民党支持率低迷の背景にあるのは、“消えた年金問題”や“後期高齢者制度導入”に象徴されるような、国民から見れば完全に“置き去りにされた”と思えるような事態が相次いで噴出し、これに派遣労働者の解雇続出に象徴されるさまざまな格差拡大が追い打ちを掛けた格好だ。

　多くの国民は、硬直化して制度疲労を起こしている財政・行政機構を作り上げてきた現状の官僚システムと、それを制御し切れずにいる自民党政治に対して我慢の限界と感じているようだ。しかし、無党派層の増加にも表れているように、これが民主党への積極的な支持の増加につながっているわけではない。政治、経済、外交などすべての面で閉塞感が強まる中で、まさに国民は“チェンジ”を求めており、“今回だけは取りあえず民主党へ”という投票行動が現実のようだ。

　その民主党だが、経済政策面の大枠では自民党と極端な違いはないものの、どちらかというと企業よりも個人に向けた支援を手厚くする配慮が特徴といえる。分かりやすい例で示せば、地球温暖化ガスの2020年までの削減目標について、政府は15％、経団連は4％を主張しているのに対して、民主党は25％という思い切った目標を掲げている。もし、これの実現を目指せば、ハイブリッド車、電気自動車などエコカーの普及加速や、原子力、太陽光、風力などの新たな発電シシテムの進展には追い風となるものの、鉄鋼、化学、電力、ガスなどのＣＯ2（二酸化炭素）を大量に排出する業種や、燃料を供給する石油元売りなどにはマイナスとなる懸念は否定できない。

　新エネルギー関連の代表銘柄としては、原子力発電関連の東芝（6502）、日本製鋼所（5631）。太陽光発電関連ではシャープ（6753）、京セラ（6971）、三洋電機（6764）、トクヤマ（4043）、カネカ（4118）、エヌ・ピー・シー（6255・マザーズ）、東洋炭素（5310）など。風力発電では三菱重工業（7011）、豊田通商（8015）、Ｊパワー（9513）、日本製鋼所、日本風力開発（2766・マザーズ）、明電舎（6508）など。

　個別のマニフェストで目玉となるのは、中学卒業まで、毎月月額2万6000円を支給する「子ども手当」だ。この関連では、リソー教育（4714）、秀英予備校（4678）、東京個別指導学院（4745）、早稲田アカデミー（4718・（2））の教育関連。アミューズメントでは、オリエンタルランド（4661）、ユー・エス・ジェイ（2142・マザーズ）、スタジオアリス（2305）、スクウェア・エニックス・ホールディングス（9684）、カプコン（9697）、コナミ（9766）。さらに、「高速道路の無料化」では、旅行会社の近畿日本ツーリスト（9726）、ニッコウトラベル（9373・（2））、エイチ・アイ・エス（9603）をはじめ、常磐興産（9675）などのレジャー施設も注目。市場価格と生産コストの差額を基本とする交付金を交付する「農林水産業者への戸別所得補償制度」では、農業機械のクボタ（6326）、井関農機（6310）、農薬のクミアイ化学工業（4996）、日本農薬（4997）、日本曹達（4041）、肥料大手の宇部興産（4208）、コープケミカル（4003）も見逃せない。

【モーニングスター】

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