SSブログ
お願いします 人気ブログランキングへ にほんブログ村 為替ブログへ
にほんブログ村

レアアースの対日輸出停滞に垣間見た中国の本音 [アナリストレポート]


2010-10-01

 尖閣諸島沖での中国漁船衝突問題をめぐり、日中関係がにわかにギクシャクし始めた。

漁船船長の逮捕、および拘留期間の延長に対する報復か、それとも輸出量を前年比4割削減することの一環か、23日に中国の税関で、日本の自動車、ハイテク産業の急所ともいえるレアアース(希土類)の対日輸出が滞っていることが判明。

その後も、中国側は衝突に対する謝罪と賠償を求めたり、尖閣近海における漁業監視船の常駐を宣言したりと、傍若無人とも言える行為に出ている。

ただ、ここで着目したいのは、SMAPの上海公演が延期されたり、1000人の日本青年上海万博訪問団の実施が延期されたりと、観光、友好に関する事柄は延期、中止が公表されたが、レアアースに関し、禁輸になったという声は日中両政府から聞こえてこなかったということ。

貧富の差の極大化で不満が渦巻き、民族問題と合わせ常に暴動を意識しないといけない中国は、日本に対し常に強気でないといけないし、資源・軍事戦略上、ドサクサに紛れて尖閣に既成事実をつくるようなまねはしても、日本からの技術流入の遮断につながるようなことは得策でないと考えているからだ。

彼らの本音はレアアースを餌に、日本の技術、特に電気自動車に関する技術を可能な限り吸い尽くすことにあるはずで、現時点でその道を閉ざすとは考えにくい。

 また、レアアースも、今は経済性の高さから、世界シェア9割超の中国産が重宝がられているが、ここからさらに何倍にも値段が上がれば、他国での採掘調査やリサイクルが進むだろうし、代替品の開発も加速するはず。

太陽光発電、風力発電をはじめ、再生可能エネルギーの人気化に、原油価格が1バレル=150ドルに接近したという事実が一役買っているように、中国にとって禁輸措置は、短期的にプラスに働いたとしても、中・長期的には国際的な信頼の失墜と合わせ、自らの首を絞めるのが火を見るより明らかだろう。

こんなこともあろうかと、懸命な国内メーカーはモーターの永久磁石に使用されるディスプロシウム、ネオジムなどを備蓄しており、数カ月間は製造に影響が出ないもよう。

三菱電機(6503)がNEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)の委託を受け、電気自動車、ハイブリッド車用にレアアース不使用の高出力モーターの開発に成功したように、代替品の開発も進んでいる。あとは、振り上げた中国の拳を、いかに下ろさせてあげるか。対応を間違え、関係をこじらせることだけは切にご容赦願いたい。

【提供:モーニングスター】

nice!(10)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:マネー

nice! 10

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

ブログを作る(無料) powered by SSブログ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。